恐ろしい記憶、これからも

2018.01.30.15:46

僕は心筋炎の子供を何人か診ました。

二人は亡くなりました。一人はまだ薬を飲んでいます。一人は元気になりましたが痛々しい傷が残りました。まだ何人か居ます。

昨今の医療事情では諸外国同様、小児外来などを受診した患者さんがその後、死亡したり障害が残った場合、訴訟にまで発展することが多いです。正直、裁判やら何やらを恐れながらこの仕事は出来ないし、防御するなら、場合によっては全員に何らかの検査をしなくてはならない。

問診や聴診などで7割は診断がつき、治療方針が立てられると言われているけれど、今やそんな哲学みたいな医学論は患者さんサイドには通用しない。検査の結果が全てだという医学の流れがあるからでしょうね。内科の人間としては少し悲しいな。

では、髄膜炎や心筋炎といった風邪の重症バージョンはどのような患者さんがなりやすく、注意が必要なのでしょうか? 答えは「どの子も可能性がある」です。

これが髄膜炎や心筋炎の早期診断が難しいところでもあります。難しい原因は色々あるけれど、万人に可能性があるし、最初の症状は風邪っぽいと言うのがネックです。

あのとき、採血していたら、あのとき、エコーをしていたら、なんて事後に色々言ってくる人が居ますが、現場でこれらを早期に見抜くのは実は神業だと今でも僕は思っています。

髄膜炎は少し違うけれど、心筋炎の多くはウイルス感染です。最初は、お熱、咳、鼻汁などで、明らかに風邪でしょうね。いかにして風邪の子供達から髄膜炎や心筋炎を見つけ、診断するか、出来るか。どうしたらいいか?

結論を言うと、かなり難しいということです。僕はこうした病気の診断の遅れや何とか間に合った患者さんを何人か診ました。

上手く診断出来ない、治療が乗らない場合、ご家族だけでなく、どこぞの偉い先生や弁護士の先生は事後だからこそ、色々と分かったかの様な教科書的な指摘をします。が、正直、そんな先生らに診断が現場で出来るとも思えない。それくらい、髄膜炎や心筋炎は分かりにくい病気です。

曲がりなりにも、心臓を少し診た医者としては日々、心筋炎などの心臓病には気をつけているけれど、髄膜炎はどこからやってくるか分からない。本当に本当にややこしい。

とにかく髄膜炎に関しては、完璧ではないがワクチンは大切だ。

敢えて言う。ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンを子供に打たせないのは虐待と同じ、そう思う。少なからず、小さな小児科クリニックの責任者としては。


家族で食卓を囲むためにも健康は不可欠だ
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